Rashii

オーナーさんが同じ価値観を
共有した
しっかりした方を連れて
こられるケースが多いです。

八ヶ岳高原ヒュッテ ※東京・目白にあった元公爵徳川義親氏
(尾張徳川家19代当主)の邸宅を譲り受け移築した
「八ヶ岳高原ヒュッテ」

―このようなコミュニティはどのように発展してきたのでしょうか?

薄井氏)西武百貨店はずいぶん前から環境に対する意識がありました。今から20年前の1999年には、環境マネジメントの国際規格「ISO14001」を百貨店で初めて取得しました。それ以前も、そもそもそういった歴史がたくさんある。今までの話を伺っている中でも、おそらく最初から音楽堂をつくる計画はなかったのだと思います。環境を守り続けていて、あえて俗っぽくしなかったところで、逆にそういうところに共感をされたオーナーの方たちが、社会的にも地位の高い方が多くて、そのコネクションで著名な音楽家を呼び、そこで音楽堂ができた。そしてそこにやっとビジネスがついてくる。コミュニティはゆっくりと大切につくられていったのではないでしょうか。

中澤氏)別荘を買われる方は、今もやはりご紹介、オーナーさんが仲間を連れてくるというケースが多いです。するとやはり、しっかりとしたオーナーさんが、しっかりとした方を連れてきて、同じ価値観を共有して、ということなので、輪は少しづつ広がっていきますし、絆は強いのではないかと思います。

油井氏)オーナーさんの憩う場所・シンボルとして八ヶ岳高原ヒュッテをつくりましたが、徐々にオーナーさんも増え、また、外から訪れる方々もここに泊まりたいという要望も大きくなって、今では68室あるホテル八ヶ岳高原ロッジがあります。そこが交流の場となって、オーナーさんとホテルに訪れる方々とのふれあいが始まり、私たちもいろんな自然の楽しみを、逆にみなさんに教えていただきながら、散歩がトレッキングに、トレッキングが八ヶ岳の登山になって、と、みなさんといっしょに楽しみ方を広げてきました。私たち社員全員がここを愛して、自然をよく知って、オーナーさんとお客様のハブとなって、自らのガイドで様々なアクティビティを提供できるまでになった。その中で八ヶ岳に魅了されて年に数回来ないといられないといったファンになる方がいらっしゃる。コミュニティの輪がそうやって大きくなっていくのは大変ありがたいことです。

社員がガイドを務めるネイチャーアクティビティ(バードウォッチングをガイドする支配人) ※社員がガイドを務めるネイチャーアクティビティ(バードウォッチングをガイドする支配人)
八ヶ岳高原 森の小屋プロジェクト「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 原田真宏氏、麻魚氏のモデルプラン」 ※八ヶ岳高原 森の小屋プロジェクト
「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 
原田真宏氏、麻魚氏のモデルプラン」

自然コミュニティといったものをベースにしながら、
今度もっと広めていくのは、
若い人なのか、あるいは地元の人なのか。

―八ヶ岳高原海の口自然郷の将来的な計画、抱負のようなものはありますでしょうか。

中澤氏)そうですね。やはり、これまで同様、ゆっくりとした開発をしていきます。ただ、今までの歴史の中では、文化ですとか、ある程度限られたオーナーさんの半分閉ざされたコミュニティだったと思います。正直これだけ高齢化が進んできている中で、オーナーさんも変わられてくる中で、今まで通りに道路をつけて、区画を割って、それで売れるか、というと今後はまずない、と思っています。そういった時に、自然コミュニティといったものをベースにしながら、もっと広めていくのは若い人なのか、あるいは地元の人なのか。例えば今改装している八ヶ岳高原ヒュッテは、戦略的にブライダルを展開してリゾートウェディングの新しい価値を提供したいと考えています。いろいろと試行錯誤をしながら、変えるところと変えないところはしっかり見極めていきたい。

―この4月からホームページもリニューアルされ、そこでは新しい取り組みや、これまで掘り起こされていなかった魅力が情報発信されています。例えば「森の小屋プロジェクト」。「森に建てるのは、ちいさな小屋がいい。」とうたわれたこのプロジェクトは、建物自体は必要最小限にしていざとなれば外部の施設を利用するという、これまでの別荘の概念の逆を行くもの。最小限にすることで自然の中に溶け込むように過ごす考え方は、まさに自然コミュニティの価値観に沿いながら今までにない新しいアプローチだと思います。

八ヶ岳高原 森の小屋プロジェクト「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 原田真宏氏、麻魚氏のモデルプラン」 ※八ヶ岳高原 森の小屋プロジェクト
「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 
原田真宏氏、麻魚氏のモデルプラン」
拡張イメージ ※拡張イメージ

また、オーナーズライフと題した、多様な八ヶ岳高原のライフスタイルを動画で紹介しています。

(自然+文化)+あなた=自然郷 のコンセプトをさらに強化しているのだと思います。自然と文化をつくる一員として、多様性が尊重された「あなた=わたし」という考え方は、グループである、そごう・西武の発信する「わたしは、私。」の個性を重んじる考え方とつながるところがあると感じました。そごう・西武の取り組みについて、CSR・CSV推進室 薄井氏にお話を聞いていきます。

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