Rashii

石坂産業 地域との共存を実現した産廃

石坂産業は
プレゼントボックス。

プラントの外壁に描かれた石坂産業のある三芳町の四季1 プラントの外壁に描かれた石坂産業のある三芳町の四季2 プラントの外壁に描かれた石坂産業のある三芳町の四季

プラント見学ツアーを進んでいくと、外壁一面に描かれた華やかな絵が現れます。石坂産業のある三芳町の四季。「石坂産業はプレゼントボックス」と、ツアーを案内する社員の方から説明がありました。石坂産業のこのプラントから、廃棄物が再生され新たな価値として生み出される。豊かな自然が蘇る。新鮮な野菜が収穫される。“プレゼントボックス”とはうまく言ったものです。そしてさらにここから様々な先進技術も開発されています。

「まずは研究してみようと。それが実用になるのかどうかのプロセスが非常に大切。そのプロセスを示すことで企業価値が高まっていく。人も育つし、技術も生まれるし、知恵をつけていく、他にないのかという探究心。研究のフェーズと、技術開発のフェーズと、きちんと分けて進めます。」(熊谷執行役員)

ベルトコンベアーの上を分速40メートルのスピードで流れてくる、形状や材質・色のばらつきのある廃棄物を、識別・選別するロボット。高度な分級技術によって生み出されるきめ細かな「精選土」の糖度の高い甘いトマト栽培といった農業への活用。太陽光・地中熱など自然エネルギーを最大限活用するしくみ。廃棄物をふるいにかける際、発生する振動をエネルギーに変換し活用、プラントの稼働プロセスすらもエネルギーに変えてしまいます。さらにはプラント自体をオープンにして、Japan CreanTech Industry Consortium=JCTICというコンソーシアムを立ち上げ、リサイクル/再資源化技術の構築、地域における農業・食の循環、地域内の産業経済モデルの確立の3つのテーマで、AI・IOTを活用した技術も開発。このように石坂産業の研究・技術開発は止まらず進んでいきます。

プラントから様々な技術が次々と生み出される1 プラントから様々な技術が次々と生み出される2 プラントから様々な技術が次々と生み出される3 プラントから様々な技術が次々と生み出される

全国にある焼却場のように
リサイクルセンターを
設置すべきだと。
日本はまだ遅れている。

石坂産業は様々な高い技術を保有しているだけでなく、プラントはメンテナンスも含めて複合的にすべて独自に稼働させています。そしてISOの7つの統合マネジメントシステムを導入し効率的な経営を行っています。「環境教育」の上に、「自走する人材」「高度なリサイクル技術」「精度の高いプラント技術」そしてそれらを効率的に運営する「経営システム」が乗って、極めて独自性の高い統合経営で、参入障壁を築いています。

「最終的には技術を売る企業になりたい。リサイクル技術、メンテナンス技術、見せる経営の知的資産、環境教育プログラム、それを売っていきたい。― 必ずインフラは壊される、それをリサイクルするために、全国にある焼却場のようにリサイクルセンターを設置すべきだと。その技術を我々が提供しますよと言っているのです。」(石坂専務)

社員で考えた石坂産業の50年先の未来 社員で考えた石坂産業の50年先の未来

産業廃棄物中間処理業は、地産地消の閉ざされた地域ビジネスという捉え方もできます。建設リサイクル法で、産業廃棄物が出た場所から50km圏内にリサイクル工場があれば分別して持ち込まなければならいという規制があるからです。CSVの論点の一つである“スケーラビリティ”はあてはまらないのではないか?という疑問に対して、「BtoBからBtoCへの広がり」「技術の広がり」「CSRからCSVへの転換」で、地域からグローバルへの壮大なスケーラブルを図る戦略が伺えました。 “産廃業者”から次々と手を打ち、変革を遂げてきたスピーディーな動きと、しかし次世代まで見据えて一つ一つ成長し続ける長期的視点に立った着実な動き。成長を止めない。石坂産業の強みがここにあるように感じました。

石坂産業「らしい」ストーリーは今回で終わりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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